2021年秋季の応用情報技術者試験に合格しました。
既にたくさん応用情報技術者試験合格報告や合格までの道筋を説明した記事があると思いますが、せっかく合格したので私も勉強方法などを書いてみようと思います。
私の技術的バックボーンは、JavaによるWebアプリケーション開発をメインにしたフルスタックの開発者です。
上流工程の経験はあまりなく、基本設計から開発、テストまでをメインで担当してきました。
この記事も、ゴリゴリの開発者に向けた記事になるのでご了承ください。
応用情報技術者試験の概要
この記事を読んでくれている人は大体知っているでしょうが、念の為応用情報技術者試験の概要を説明します。
応用情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施している国家資格です。試験の対象者は、
高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
ということになっています。
試験の方向性としては、ITに関連する幅広い知識を問われます。テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系と主に3系統あり、これらすべての知識がある程度必要です。
試験要項のシラバスだけで100ページ以上あり、IT業界に身を置かない人だと相当にきつい難易度かと思います。(ITスキル標準だと7段階中下から3番目で、中級レベルという扱いです)
一つ簡単な基本情報技術者試験の次のステップとして、あるいはより上位の試験を受けるための準備として応用情報技術者試験を受ける人が多いようです。いくつかの試験では、応用情報技術者試験を合格していると一部試験が免除になります。
午前と午後に試験が別れていて、午前が4択の選択問題、午後が筆記式の問題です。
記事を書いているブログ管理者の技術的バックボーン
ブログ管理者である土谷が、応用情報技術者試験を勉強し始めた時点での経歴は以下の通りとなっています。
- 情報系の大学院を卒業
- Webアプリケーション開発の開発を中心に3年間SEとして従事
- 体調を崩して15年ちょっとブランク
- SEとして復帰してWebアプリケーション開発に1年間従事
プロフィールにも書いたとおり、私の技術的バックボーンはJavaによるWebアプリケーション開発が中心です。
規模が小さい開発に関わることが多かったので、フロントエンドからバックエンド、データベースの設計と操作、サーバの構築などフルスタックで関わっていました。
一方、マネジメントや要件定義など上流の工程にはあまり関わっていません。また、基本的にソフトウェア開発をしてきたので、ネットワークやハードウェアの知識も大学自体の勉強に毛が生えた程度しか持っていませんでした。
合格までにかかった勉強時間
私が応用情報技術者試験の勉強を始めたのが2021年5月からです。試験本番が2021年10月だったので、5ヶ月位期間があったことになります。
毎週土曜日と祝日に松戸のコワーキングスペース「BIZcomfort」に出かけて1日7時間半くらい勉強していました。
さらに、平日の夜も後で説明する応用情報技術者試験.comで少しずつ午前問題を解いていました。
毎週平均で10時間弱は勉強していたと思うので、5ヶ月間=20週間で合計の勉強時間は200時間くらいになっていたと思います。
実際に行った勉強方法
私が行った勉強方法は以下のとおりです。
勉強は自宅じゃなくてコワーキングスペースで行った
私は自宅だとサボりがちになってしまう傾向がありました。そのため、集中力を維持するために松戸にあるコワーキングスペース「 BIZcomfort 」に土曜と祝日にでかけて勉強していました。
自宅ではない環境に身を置くことで、勉強せざるを得ない状況を作れたと思っています。
最初に応用情報技術者試験の参考書を1冊だけ購入
応用情報技術者試験の全体像を知りたかったので、まず最初に参考書を1冊買いました。
私が買ったのは令和3年度版応用情報技術者 合格教本です。最新版はこちらのリンクから探せます。
他にもいくつか応用情報技術者試験がありますが、どれがいいかがわからないのでなんとなくこの本を選びました。
文章が多くて硬い雰囲気の本です。数学や理科の教科書を自分で読めるタイプの人と相性が良いと思います。
この本をまずは1周しました。覚えるべき知識が多すぎて嫌になるかもしれませんが、試験に必要となる知識の概要を抑えるためにも1回は読んでおくべきだと思います。
逆に2周3週と繰り返して全部を読む必要は薄いと感じました。複数回熟読しても試験での得点には反映されにくいです。
1回通して読んだら、次のステップに進むことを勧めます。
ひたすら過去問を解く
参考書を1回読んだら、後はひたすら過去問を解いていました。
過去問は書籍でも売っています。私は中古で平成31年【春期】応用情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集を買いました。
ただ、書籍は必要なかったと思います。というのも、応用情報技術者試験.comという素晴らしいWebサイトがあるからです。
このサイトには午前試験、午後試験の過去問が平成15年春季から揃っています。書籍だと数年分しかないので、これは大きなアドバンテージです。
しかも、直近の試験以外には解説までついています。大抵の問題は応用情報技術者試験.comの解説で十分です。
わからない問題があったら参考書に戻ることになるかもしれませんが、私の場合はサイトの説明でほぼ理解できました。
応用情報技術者試験.comでまずは午前問題を集中的に解いていきました。過去問道場という機能をつかって、直近7年分位をランダムに出題してもらい正答率が8割を超える位まで繰り返します。
応用情報技術者試験は過去問からほぼ同じ問題が出されることも多いので、8割以上正解できるようになっていれば、午前試験は通るはずです。
確認したところ、私は「正解数:431問/出題数:505問」という状態でした。
午前試験対策ができたら、残りの時間は午後試験の過去問を解くことに使いました。難しいのは午後試験なので、可能な限りこちらに力を入れるべきです。
午後試験は筆記式の選択問題なので、自分が得意な分野4つと必須であるセキュリティの過去問を直近10年分くらいときました。
時間的余裕があれば、もう1つ別の分野を試してみるのも良い考えだと思います。万が一本番の試験で難しい問題があったとき、別の問題を選択できるようになります。
午前問題と違い同じ問題が出されることは少ないですが、出題と回答の傾向を把握できるのでこちらも重要です。
午後試験で選択した問題
午後試験は選択問題だと書きました。セキュリティの問題が必須で、以下の10分野から4つを選択します。
- ストラテジ
- プログラミング
- システムアーキテクチャ
- ネットワーク
- データベース
- 組込みシステム開発
- 情報システム開発
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
私の選択肢はプログラミング、システムアーキテクチャ、データベース、組込みシステム開発でした。
ゴリゴリのWebアプリ開発者なら、この4つを選ぶのが無難だと思います。おそらくどれも仕事で経験している内容のはずです。
もちろん他に得意な分野があればそちらを選ぶべきでしょう。あるいは、データベースを触らないフロント寄りの人なら他の選択肢のほうが楽かもしれません。
まとめ:私は過剰に準備しすぎた
応用情報技術者試験を勉強することで、直接的な開発の知識以外にもマネジメントやストラテジ関係の知識も得ることができました。スキルの幅を広げる意味でも取り組む価値はあると思います。
ただ、私は200時間くらい勉強しましたが、これはちょっと過剰だったかもしれません。
次の図は私の得点状況ですが、午前も午後も結構余裕がありました。
試験を受けた直後は午後試験に落ちたかなという感触だったのですが、思ったより高得点です。
効率を重視するなら勉強時間はもう少し短くてよかったのでしょう。
勉強した事自体は身についているので、完全に無駄ということはないと思うのですが・・・。
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