私は15年間ほど引きこもっていた時期がありました。理由は原因不明の強い倦怠感。いろんな病院に行って検査をしても原因がさっぱりわからず、結局精神科に回されたけどそこでも治療の効果はなし。
ほとんど人生を諦めていたのですが、たまたま光トポグラフィー検査にいった病院でLOH症候群(男性更年期障害)の可能性を指摘されて、治療を開始。リハビリの末なんとか社会に復帰することができました。
引きこもりからの復帰事例として需要があるかもしれないので、記事として引きこもってから復帰までの流れをまとめます。
急に強い倦怠感に襲われる
2004年の5月頃、私は大学院を卒業してから入社4年目になっていました。システムエンジニアとしてそれなりに会社には期待されていたと思います。
強い倦怠感に襲われたのは、プロジェクトメンバーで集まって飲み会をした次の日。あんまり飲み会の席は得意じゃないので、その日は飲み会の疲れかと思っていたのですが、数日たっても倦怠感が取れません。
自宅近くの内科医に行っても回復せず、なんとか1日仕事に行っては次の日は休むという状況になってしまいました。
この段階で内科医はうつ病を疑っていたらしく、精神科を紹介されたので大人しく受診。結果自律神経失調症と診断されます。
ちょっとまともに仕事ができる状況ではなかったので、休職して様子を見ることになりました。
いろんな病院に検査に行く
真面目に精神科には通っていたのですが、色々薬を処方してもらっても倦怠感は全く良くなりません。精神科に通うのと並行して、いろんな病気の検査をしました。
脳波測定、耳鼻科、睡眠時無呼吸症候群、心臓検査など、かなりいろんな検査を受けたのですが、倦怠感の原因はわかりません。最終的には精神的なものだろうという結論になりました。
ただ、精神科で処方される薬を飲んでも、効果が全くありませんでした。当初は3ヶ月の予定だった休職期間もズルズルと伸びていきます。
すぐには回復しない雰囲気だったので一人暮らしをやめて実家に帰り、長期の静養期間に入りました。
精神科に通うも効果なく、引きこもりに
自宅での生活は一人暮らしより楽でしたが、やはり倦怠感はなくなりません。一日起きているのが辛く、昼でも布団に横になっている時間が長い日々が続きました。
この頃は起きている時間はゲームかネット、疲れたら布団で横になるような生活です。立派な引きこもりだったと思います。
2004年に倦怠感が出てから2007年くらいまではちゃんと精神科に通っていたのですが、全く効果が出ないことを不審に思い精神科医に相談しても、薬を出すことしかできないと言われます。
薬が効かないから困っているのに薬しか出せないと言われてしまい、精神科への不信感が高まりました。結局2007年で精神科への通院を打ち切り。自宅でゲームとネットと布団で眠るだけの日々を送るようになります。
LOH症候群とわかる
2007年より数年間、たまに思い出した様に病院に通っても、半年くらいで先生から見捨てられたり私の方から見切りをつけたりしていました。
そんな感じでほぼ諦めつつも通っていた病院で、2018年末に光トポグラフィー検査というのを勧められます。勧めに従い大病院での検査を行ったのですが、その際にLOH症候群(男性更年期障害)の可能性を指摘されました。
年のためにと思って遊離テストステロン値を調べたところ、最低基準値が8.5pg/mlなのに私の値は4.2pg/mlしかないことが判明。
ようやく倦怠感の原因らしいものがわかり、泌尿器科でテストステロンの注射による治療を開始しました。
引きこもり生活からの回復とリハビリ
テストステロンの注射は2週間に1度の割合だったのですが、3回目の注射あたりから倦怠感が劇的に改善しました。
1年弱注射を続けつつ、リハビリとして地域活動支援センター(地活)という障害者向けの施設での日中活動とウォーキングを始めます。
地活には週1日から通い始めて、少しずつ通う日数を増やしていきました。週5日通えるようになった段階で一般就労することを決意。事務補助のパートを見つけてそこに潜り込むことに成功します。
当初の予定では半年くらいパートで体を慣らしてフルタイムの仕事を探すつもりでした。
フルタイムでの社会復帰
ただ、事務補助という仕事があまりにも退屈で、長期間務めるのは嫌だなと感じ始めます。パートを始めて1ヶ月で、昔の仕事であるシステムエンジニアのフルタイムでの仕事を探すことにしました。
流石に15年間のブランクは長く、250社くらい書類選考で落とさます。それでもなんとか2社から内定をもらい、フルタイムの正社員として社会復帰を果たすことができました。
ちなみに、就職活動ではリクナビNextとリクルートエージェント、東京仕事センターを使いました。リクナビで70社くらい、 リクルートエージェント で170社くらい、東京しごとセンターで10社くらい応募したかな。決まった会社はリクナビNextから応募した社員が20人もいない小さなソフトウェアの会社です。
現在は内定をもらった会社で1年くらい働いていますが、ブランクが長くてもシステムエンジニアとしての基礎があったおかげでちゃんと戦力になっています。なんと人月単価60万円以上でSES契約を結べました。(会社と会社との契約金額が60万円なんであって、私に全部入ってくるわけじゃないけど)
まとめ、15年引きこもっても社会復帰できる
私の場合は体調を崩す前の3年間のシステムエンジニアの経験をうまく生かして社会復帰できました。芸は身を助くということでしょうか。
リハビリに関しては一人でどうにかするのは難しいので、社会資源を活かすのが重要だと思います。私のケースでは地域活動支援センターでした。住んでいる地域によって色々なサポート機関があるはずなので、市町村の相談窓口に相談すると力になってもらえるはずです。
15年ほとんど何もしていない私でも社会復帰は叶いました。私の経験が誰かの役に立つといいなと思います。
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